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トラック適正化二法の全貌 ~貨物自動車運送事業法・推進法のポイント~

2026.03.13

こんにちは!日野コンピューターシステムのブログへようこそ!

今日は、昨年6月に成立した2つの法律、通称「トラック適正化二法」について見ていきたいと思います。1990年の物流二法以来、規制緩和の道を歩んできたトラック行政が、規制強化へと明確にシフトしたことを示す法律です。具体的に何がどう変わるのか、見ていきたいと思います。

1.トラック適正化二法とは

トラック適正化二法とは昨年6月に成立した、「貨物自動車運送事業法(事業法)」の改正と、「貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律(推進法)」の2つを差します。貨物自動車運送事業法は、トラック事業のあり方を規定する法律です。古くは1951年制定の道路運送法にルーツを持ち、1989年に貨物に関する規定が分かれて貨物自動車運送事業法として再出発しました。このときはいわゆる規制緩和の流れにあり、最終的に2002年の改正で規制緩和の流れは完結します。その後、大きく動いたのが2018年の改正です。全日本トラック協会は、この時から3度の改正を大きくホップ・ステップ・ジャンプと位置づけています。具体的に見ていきましょう。

1-1)ホップ 最初の一歩(2018年改正)

最初の一歩は2018年、標準的な運賃の告示や、荷主の配慮義務を新設し、順守しない場合は、国土交通大臣に荷主への働き掛けを可能とする改正です。議員立法で行われました。当初は2024年3月までの時限措置(2023年に「当分の間」に変更)で、同年4月からスタートした年960時間の残業上限規制に向けて、物流業界の労働時間短縮や、稼働時間が短くなっても収入を減らすことがないようにする目的もありました。

1-2)ステップ 続いての改正(2024年改正)

続いての改正が行われたのは2024年。この時は、流通業務総合効率化法(改正により物流効率化法=物効法に名称変更)とセットでの改正です。この物効法が2026年4月からスタートする荷主への規制的措置や物流統括管理者(CLO)の選任、物流効率化に向けた中長期的な計画の策定などの根拠法令となります。一方でトラック企業へは、事業法の改正で、書面交付の義務化や元請け企業への実運送管理簿の策定義務などを負わせました。

1-3)ジャンプ 最後の仕上げ(昨年6月11日交付)

最後の仕上げが、2025年6月11日に交付されたトラック適正化二法の制定です。事業法では5年ごとの更新制導入や適正原価、2次までの下請規制、いわゆる「白ナンバー」のトラックを利用した荷主の規制を導入します。推進法では、更新制などを適切に実施するための体制整備や、体制を支える財源措置、政府に物流施策推進会議を設置することなどが盛り込まれました。推進法は即日施行され、施行から3年以内に必要な法制上の措置を取ると決められています。

2.事業法のポイント(2026年2月時点で分かる範囲)

まず法律の目的に「貨物自動車運送事業に従事するものの労働環境の適正な整備に留意しつつ行うべきこと」と追記されました。法律が事業を適正・合理的に行うことに加えて、労働環境まで踏み込んでカバーできるように変わりました。その上で、労働者の適切な処遇確保のため、24条6として「一般貨物自動車運送事業者は、国土交通省令で定めるところにより、その事業用自動車の運転者その他の労働者が有する知識、技能その他の能力についての公正な評価に基づく適正な賃金の支払その他の労働者の適切な処遇を確保するために必要な措置を実施するものとする」を新設しました。

労働者の環境確保と適正原価

さて、労働者の環境確保のために必要なものは原資です。物流企業が荷主から適切に収受するための後押しとなるのが適正原価。具体的には「燃料費、全産業平均の賃金を踏まえた人件費、減価償却費、輸送の安全確保のために必要な経費、委託手数料、事業を継続して遂行するために必要不可欠な投資の原資、公租公課その他の事業の適正な運営の確保のために通常必要と認められる費用」から算出されます。現在、算出の根拠となるアンケートを実施中で、回答は義務となっています。今後アンケートを分析し、国土交通大臣告示として算出します。

更新制の導入

更新制については、まだ中身は見えてきません。ただ、バスをみると安全への投資が適切か、事業収支がしっかりしているか、車両整備がしっかりしているかなどの項目がならんでいます。トラックでも、同じような項目が並ぶと思います。トラック事業開始時の許可基準も参考にしながら、いまから準備を進めていくことが求められます。

書面交付の義務化と委託制限

書面交付の義務化では、利用運送が抜け穴とならないように、利用運送からが荷主となる場合、利用運送を元請けとして扱われるようにもなりました。

施行時期の整理

事業法のうち、委託制限、違法な白トラ利用禁止、書面交付規定の範囲変更は2026年4月1日に施行。 許可更新制、適正原価の順守義務、労働者の処遇確保は2028年6月11日までのどこかで施行。 更新制は施行後2年の経過措置が取られます。

図:全日本トラック協会作成のリーフレットより

3.まとめ

いかがでしたか。トラック運送業を取り巻く環境は、今後大きく変わっていきます。今回は、その中心となる貨物運送事業法を巡る動きを説明してきました。少しでもお役に立てば幸いです。それではまた!

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この記事を書いた人
日野コンピューターシステム株式会社 ソリューション推進部 部長 重藤

 

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