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物流業界におけるデジタル化の現状と今後 ~大手と中小企業の違いと始め方・生き残り戦略~

2026.02.26

こんにちは!日野コンピューターシステムのブログへようこそ!

昨年は、物流業界に限らず「AI」という言葉をよく耳にした1年でした。ChatGPTをはじめとする生成AIの進展や各種ロボット技術、自動運転トラックなど、未来を強く感じさせる話題が多い年となりました。今日は物流企業とデジタル化について改めて考えてみたいと思います。

1.AIにロボット投資、大手で進むデジタル化

国土交通省は昨年「物流施設におけるDX推進実証事業」として、システム構築に最大2,000万円、自動化・機械化機器の導入に最大3,000万円の補助を用意しました。大規模な投資ができる企業なら、倉庫内の自動搬送ロボットや最新のWMS(倉庫管理システム)を導入し、一気に効率化を図ることができるでしょうし、そういった想定で補助金も設定されています。ハード面では自動倉庫やロボットの活用、ソフト面ではWMSの高度化や、生成AIの活用など実施に大手企業がデジタルシフトしている例は多くあります。

物流企業は、人手不足を背景にデジタル化・省力化を模索しています。自動倉庫やロボットの活用は、作業員不足の中で、煩雑な庫内作業を省力化しようとの試みです。特に、労働環境が過酷な低温倉庫などでは、喫緊の課題ともなっています。また事務負担の削減は、バックヤード作業の人員を少なくし、その分営業や現場管理といった売り上げと直接結びつく部門に人材を手厚くしたいという考えがあります。倉庫に止まらず配車や運行・労務管理など、輸配送に関わる部分でのデジタル化も同時に進んでいます。この部分では、大手だけでなく中堅企業もさまざまな形でのデジタル化を進めているようです。

ただ、より企業規模の小さい企業ではデジタル化は難しいというのが現状のようです。国交省が2023年に行った調査では、中小企業ほどデジタル化率が低く、紙やファックス、電話でのやり取りが主流となっている実態がみえてきます。あるアンケートでは、導入・運用コストの問題やIT人材の不足、そもそもどんなものを導入したらいいのか分からない、といった回答が多く寄せられていました。考えてみれば、既にある業務だけでも人手が足りていないのに、デジタル化のために人材を捻出するのはハードルが高いというのは、誰しも納得することです。

2.デジタル化を本当にやらなくていいの?

では、本当にデジタル化を進めなくてもいいのでしょうか?いまは業務が回っているから、そんなことまでしなくても良いというのは本当でしょうか?

そんなことはありません。規模の小さな企業であっても、ちょっとしたデジタル化で大きな効果を実感できる可能性があります。大手企業がすでに導入している高度なシステムがなくても、中小企業には改善の余地がたくさん残されているからです。すべてを一気に変えるのではなく、小さなところからスタートすることもできます。

例えば、配車管理を手書きの台帳からクラウドサービスに切り替えるだけで、ドライバーの労働時間管理が正確になり、24年4月から始まった年960時間の残業規制にも対応しやすくなります。スマートフォンと連携した動態管理システムを使えば、トラックの位置情報をリアルタイムで把握でき、荷待ち時間の削減にもつながります。実際、国交省の事例集には、月2万円程度のクラウド型システムで生産性を向上させた中小企業の例が紹介されています。デジタルタコグラフの導入で、安全性や燃費が向上することだってデジタル化です。ドライバーの健康管理や、勤怠管理などあらゆるところでデジタルは活用できます。今後のさまざまな法改正に準拠しているサービスもあり、そういった新法への対応負担も削減できるメリットもあります。

コスト面でも、最近は中小企業向けの補助金が充実しています。IT導入補助金、中小企業省力化投資補助金など、デジタルタコグラフや配車管理システムの導入を後押しする制度が整ってきています。決して「大手だけの話」ではないのです。

3.できることから始めよう!

まずはじめられることは、標準化です。ある中堅企業は、支店ごとに異なっていた勤怠に関する入力情報を、統一することからスタートしたようです。また別の大手企業では、倉庫のデジタル化に向け、保管時のフリーロケーションを止めて何をどこに置くかを決めることが、その後のデジタル化・DXの第一歩となった事例もあります。条件を統一し、データを集めることがデジタル化の手始めです。国交省の「中小物流事業者のための物流業務のデジタル化の手引き」には、従業員規模別のデジタル化実態や、実際に導入して成功した中小企業の事例が豊富に載っています。自社と似た規模の企業がどんなツールを使って、どんな課題を解決したのか。そうした事例を参考にすることができます。

2025年、物流業界は人手不足、コスト高騰、環境規制の強化など、厳しい状況に直面しています。2030年度には34%の輸送力不足が予測されるとも言われています。こうした環境で生き残っていくには、大企業も中小企業も関係なく、自社の生産性を高めていく必要があります。

別の面からデジタル化をみれば、人手不足の中での生き残り戦略でもあります。ベテランしかできない作業が多くあれば、新人を雇えない・来てもらえないという状況になりかねません。デジタル化を、業務の大きな変化とみるのではなく、自社の業務をより良くする仕組みとして受け入れていくことが、必要になりそうです。

4.おわりに

いかがでしたか?今回は、物流とデジタル化について、少し深掘りをしてみました。それではまた会いましょう!ご安全に!

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この記事を書いた人
日野コンピューターシステム株式会社 ソリューション推進部 部長 重藤

 

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