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5分でわかる!「中小受託取引適正化法」。下請法から何が変わった?物流への影響をサクッと解説!

2026.01.16

こんにちは!日野コンピューターシステムのブログへようこそ!
今年は、トラック業界も関連する法律改正が目白押しで、正しい情報をキャッチできなければどう対応して良いかも分からなくなりそうな一年です。
本日は中でも、1月1日に改正となった「下請法」についてみていきたいと思います。

1.何が変わったの?

もうすでに新聞などが報じている通り、1月1日から旧「下請法」が改正され「中小受託取引適正化法」(通称・取適法)となりました。下請けという上下関係を思い起こさせる言葉を外したところに政府の強い意志が感じられますね。

取適法は、近年の急激な労務費・エネルギー費・原材料費の高騰を受け、物価上昇を上回る賃金上昇を実現するために、中小事業者が原資となる売り上げを確保することを目的としています。そのためには、川上から川下まで、サプライチェーン(供給網)全体で構造的に価格転嫁をしていけることが重要であり、不当な価格の据え置きなど受注者を苦しめる商習慣を一掃しなければなりません。取適法は、名前の通り取引を適正化し、価格転嫁をさらに推し進めていくために生まれました。各立場の企業の呼び方も親事業者を「委託事業者」、下請事業者を「中小受託事業者」と変更するなど、上下関係を想起する言葉は変更となりました。

具体的に変更点を見ていきたいと思います。

まず物流にとって最も影響が大きいのは「運送委託の対象取引への追加」です。
この変更によって、これまで対象外だった発荷主からの物品運送委託が取適法の対象とされました。下請法では、運送企業同士の取引は取り締まることができましたが、原因となる荷主まではさかのぼれませんでした。今後は、荷主との取引も法規制の対象となります。

合わせて、製造業などの場合で従業員300人以上などの従業員数を対象とした規模要件も新設しました。これまでの規模要件では資本金を基準としてきましたが、事業規模は大きいものの資本金が少ない企業や、下請法の適用外となるために資本金をあえて減額する企業もあり、対策が求められていました。今回の改正は、この抜け穴をふさぐ目的もあります。

その他、支払い遅延を防ぐため手形払いを禁止にし、一方的な代金の据え置きを禁止にするなどの措置を取った上で、各企業を主管する省庁の主務大臣に指導・助言権限を付与して指導力の強化を図り、省庁間の情報共有を行う規定も創設しました。

2.物流の変化は?

改めて、特定運送委託についてみていきたいと思います。
これまで荷主と運送企業の取引については、独占禁止法の物流特殊指定で対応してきました。ただ、物流企業の立場が弱い状況が続き、結果として荷役や荷待ちを無償で行わされています。荷主と物流企業の取引も規制対象に追加することで、この力関係を是正する狙いがあります。

具体的に対象となる取引はまず「事業者、販売する物品、製造を請け負った物品、修理を請け負った物品又は作成を請け負った情報成果物が記載されるなどした物品について、その取引の相手方に対して運送する場合に、その運送の行為を他の事業者に委託することをいう」とされています。つまり荷主が、取引相手に対して成果物を納入するために生じる運送委託契約のことです。納入する物品や納入経路の一部を委託する場合も対象となりますが、同一法人の拠点間輸送の場合は該当しません。ただ、この拠点間輸送が顧客への納品を目的に行われる場合は発荷主の最初の拠点から中継拠点、納品先までのすべての運送が特定運送委託とみなされます。また製造業の委託事業者が製造業の中小受託事業者に製造に必要な原材料などを販売し届ける場合、この輸送も特定運送委託となります。

ややこしいので、やや乱暴ではありますが簡単に整理すると、

  • 納品に伴う製品などの輸送
  • 上記の経路の中に拠点間輸送が含まれる場合は拠点間輸送も含む
  • 製造委託に伴う原材料などの販売に伴う輸送

特に今回の改正で大きいのが、いわゆる無償の付帯作業を「不当な経済上の利益の提供要請に該当する」としたことです。縦持ち・横持ち、検品、ピッキングなどはもちろんのこと、トラックからの積み下ろしも不当な経済上の利益の提供要請にあたります。昨年末に、大手総合物流企業が、傭車との取引で積み下ろしや待ち時間を理由に勧告を受けたのも記憶に新しいと思いますが、今後は荷主企業に対しても同様の勧告行われるのかが焦点となります。

3.義務付けの意義は?

取適法の対象となるメリットは、委託事業者には4つの義務が課せられることです。

  • 発注内容を明示する義務
  • 取引に関する書類などを作成・保存する義務(2年)
  • 支払期日を受領後60日以内に定める義務
  • 遅延利息(年率14.6%)の支払い義務

特に①と②は書面化に関わる規定です。ただ、書面をつくれば良いという分けでなく、内容まで細かく指定されています。具体的には受委託者の名称、委託日、内容、受領日や受領場所、支払い金額、支払い日などです。契約内容を事前に示すことで、何をするべきか明確にするとともに、料金なども事前に固めます。

4.まとめ

いかがでしたか?取適法は、発注者と受注者の双方が理解して正しく運用する必要がある法律です。皆さんも、この機会に改正内容を理解し、適正取引に役立てていただければ幸いです。

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この記事を書いた人
日野コンピューターシステム株式会社 ソリューション推進部 部長 重藤

 

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